パナソニック TZ-DCH2000

ひょんなことからパナソニック TZ-DCH2000 という HDD 内蔵のデジタルチューナーを入手した。こういう商品の性質上、好き好んでこの機種を自分で選定したわけではないが、以外に機能が良かった。
以下、半月ほど使い込んでの感想。

  • ダブルチューナーであり、できないことの制約が少ない。シャープの裏録のような制約がない。予約録画中の番組も、再生リストに表示され、それを選んで再生できるのも使いやすい。
  • i.Link 端子が付いている。2つも。ムーブができる。ダビング10にも対応している。D-VHS の操作も、画面上のソフトキーではなく、リモコンの再生ボタンや早送りボタンで操作できるので操作しやすい。
  • ズーム機能があり、額縁放送に便利。
  • 「探して予約」機能が便利。これは新しいファームウェアで備わったと思われる。放送時間がズレても追随してくれるので、ドラマや深夜のバラエティーの予約録画に便利。ただしこの機能は20個までしか使えないのが痛い。なんのためにそういう制限を付けるんだろう?
  • 1.3倍速再生と0.8倍速再生が便利。DR録画にも対応している。というかエンコーダーを積んでいないのでそれしかできないのだが。1.3倍だと、あまり違和感がないので、気づかないぐらいだ。0.8倍速は英語を聞くときなどに便利かも。ただ、1.3倍速と0.8倍速と通常再生の切り替え時に、音飛びがないのは良い。0.5秒ほど微妙に戻って再生するので、聞き漏らしがないのは良い。ただ、再生ボタンひとつで、通常→1.3倍速→0.8倍速→通常…、のトグルになっているのがちょっと不便。独立したボタンにしてほしい。1.3倍速は継ぎ目も目立たず良い音質だが、ちょっと遅く、できれば1.5倍速なども選べるようになっていてほしいものだ。1.3倍速と0.8倍速でも字幕が出てくれると嬉しいのだが、それはできないようだ。また、1.3倍速と0.8倍速で、早送り・早戻しをすると、通常再生に戻ってしまうのもちょっと使いづらい。
  • リモコンには30秒スキップのボタンはあるが、30秒戻しは30秒スキップのボタンを長押しすることで実現している。しかし、この長押しの認識に2秒ほどかかるのでその時間を無駄に過ごすことになってしまうのがとてもかったるい。また、30秒は戻しすぎだ。この点、シャープの30秒スキップとリプレイ(10秒戻し)の独立したボタンは便利だった。この2つを組み合わせてバイナリーサーチのようなことができて、2つだけのボタンでもかなり素早く再生位置を探すことができた。
  • 番組表(EPG)はいわゆる新聞形式(時間軸が縦方向)であり、見やすい。ただし、表示がちょっと遅い。遅いときは3秒ほど待たないといけない。リモコンの番組表ボタンを押すのをためらってしまうことがある。また、番組の開始時刻が中途半端な時刻だったりすると、30分番組が表示されず、その後ろの4分の番組が表示される、というバカげた表示になってしまうこともある。これは改善してほしい。もちろん、隠れている番組のところは、色の付いた太線になっているので、一応存在は分かるのだが。
  • チャプター分割ができない。すなわちチャプターマークが打てないのが辛い。まさかいまどきないとは思わなかったよ。歌番組を録画して、好きなアーティストのところにチャプターマークを打ったり、要らないシーンをカットしたり、ということが一切できない。まるで昔の ep ステーションのような仕様。シャープの BD-AV10 もこんな仕様だったが、なぜ、これほどまでにチャプターが軽視されるのかが分からない。ユーザーインターフェースの実装にコストがかかるからか?別に編集画面とかは要らない。単にリモコンのテンキーでチャプターマークの時分秒を入力するだけのユーザーインターフェースでもいいから付けてくれよ。
  • 「おすすめ番組設定」の機能は便利だ。「おすすめ語句」にタレントの名前を登録しておけば、出演番組を探してくれる。ただ、それと別に「おすすめ」を学習してくれる機能があって、それを1回でも使ってしまうと、「おすすめ語句」の検索結果と混じってしまう。そして、その学習をリセットしようとすると、せっかく入力してある「おすすめ語句」まで消えてしまうという極悪設計のようだ。これはめげる。なんとかしてほしい。
  • 予約録画の番組開始に余白がない。逆に0.5秒ほど頭切れしてしまう。ただし、予約開始時刻のオフセットを分単位でマイナス方向に指定できるので、これで対処できなくもない。しかし、1分も要らない。10秒程度でいいのに。秒単位で指定できるようにしてほしい。
  • チャプターマークが打てない代わりに、録画済の番組単位でラストメモリーのようなものは保持されている。これは「再生ナビ」で録画済番組を選んで、青ボタンを押すことで呼び出せる。ただし、ここで間違って「決定」ボタンを押してしまうとおしまいだ。
  • 「タイムワープ」機能が、おそらく新しいファームウェアから付いたらしく、分単位で現在の再生位置から相対的に移動できる。unibon の好みとしては、相対位置より絶対位置の指定のほうが良いのだが。まあ、ないよりはずっとマシかな。
  • リモコンは、ボタンを押したときに高級なタクト感があり良い。発光部は、発光ダイオードが2個も付いていて、リモコンを立て気味み持っても光が水平に飛ぶように、1つの発光ダイオードが傾けて付いている。ただ、下部のフタはなんだ?ボタン数を少なく見せたいためにボタンを隠すだけのフタ。意味がない。「ボタンが少ないのは良いことだ」という変な風潮をなんとかしてほしい。


...以下、2008年10月8日に追記。

  • このユーザーインターフェースは嫌だなあと思うものの1つとしては、再生中の番組(A)の末尾に到達すると、つぎの番組(B)の先頭から再生することだ。もしも以前、Bの途中まで見ていたとしても、そのラストメモリーがこれいにより消えてしまう。unibon としては、Aの末尾で止まってほしい。
  • 1番組を録画中に、単なるチューナーとして別のチャンネルを自由に戦局できるのは便利だ。一方、2番組を同時録画中には、視聴用に出力できるチャンネルを選べないのが不便だ。2画面の親と子も固定で入れ替えがでいない。ただし、再生リストで録画中の2番組の好きなほうの番組を選んで再生できるので、操作はわずらわしいものの、一応、視聴には支障はない。